標準体型解説 of 北海道犬保存会-北海道犬

標準体型解説

『天然記念物北海道犬標準体型並びに解説』(昭和58年1月10日発行)より転載しました。 旧字体でホームページで表示されない文字は新字体に変更してありますが、それ以外は、当時のままとなっております。

1 外貌と気質

(1)人為的な改良の為されていない原始的な型態は、野趣味に富み、素朴な感の中に深い味わいがある。

(2)牡は、見るから顔貌に牡らしい風格が現われ、荒削りな線と動作は、おのずから牡としての構成と気迫を備え、そこに牡は牡らしく、牝は牝としての相貌を示している。

(3)自然のままに鍛練されたその体質はよく乾繰し、骨格および筋臆ともに強靭で、軽快で弾力性に富んでいる。
骨量豊かなりとして、太過ぎまた重過ぎることは、作出上警戒すべきことで、海綿質の骨量を排し、緊密硬質の骨質であるべきである。

(4)ー犬ー主主義で、容易に他人に馴じまない性格が、他犬種に比べて馴致上の欠点かも知れないが、他人の誘惑に乗らないことと発達した帰家性が、この犬種の特徴である。

(5)惇威あり、勇敢にして判断力に富み、感覚は鋭敏で動作は敏捷である。
いたずらに粗暴喧騒なものを、気迫あるものとして誤まりやすし、。これに反して、鈍重なものと、沈着で理性に富むものとを区別すべきである。

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2 体躯

(1)頑健な頭部と、力強い頚部および深胸を持つ前掘は、一見前勝ちの感がある。駈歩型のキリッと四角にまとまった感じの姿態である。

(2)体高   牡 1尺6寸~7寸(約48.5㎝ ~ 51.5㎝)
       牝 1尺5寸~6寸(約45.3㎝ ~ 48.5㎝)

上下5分程度(約3㎝)の差は可とする。他の中型日本犬に比べて、北海道犬は、やや小作りであるが、これを強いて大きくする必要は認めない。
ことに、牝はこれを下回るものがあるが、これは、中型犬の低限であって、柴犬(小型日本犬)と同様な小型の構成とは言い得ない。

(3)体高とは、立姿態において、髪甲(肩上〉から地上までの高さをいい、体長とは胸骨把柄から座骨後端(啓端〉までの長さをいう。

(4)体高と体長の比は、牡にあっては1 0 : 1 1であり、牝にあっては体長がこれよりやや長い。ただし、胴伸びの過ぎる犬は、背線ゆるく飛節深過ぎて反発力を欠き、反面、胴詰まりの犬は、飛節立ち過ぎて踏込みの浅いものが多い。

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3 頭 部 

(1)頭部はよく発達し、見るからに頑健にして惇威と鋭敏を示すものでなければならない。稟性の大部分は、頭部から看取することができる。後頭部が欠け、額高く、丸頭(アップルヘッド)は好ましくない。

(2)頬巾(頬骨の巾〉は、体高の約4分の1内外を可とする。

(3)頭長(額段の中心から後頭部までの長さ)は、頬巾とやや同長である。

(4)吻長(額段中心から鼻端までの長さ)は、およそ頭長6に対して4の割合である。

(註) 牝牡概略平均計数

・ 体高 1尺6寸(約4 8. 5 ㎝)の場合
・ 体長 1尺7寸6分(約5 3 ㎝)
・ 胸深 8寸(約24 ㎝)
・ 頬巾 4寸(約1 2 ㎝)
・ 頭長 4寸(約1 2 ㎝)
・ 吻長 2寸7分(約8 ㎝)

(5)前額の縦溝は鮮明で、額段はやや浅いが明瞭である。額段が不明瞭でノツベリしたもの、また深過ぎるものは好ましくない。

(6)鼻梁は、やや上向き、鼻端が額の延長線と交合する程度を良しとする。
鼻端の上り過ぎるものは、額段の深過ぎるものが多く、鼻端の下り過ぎるものには、吻が長過ぎ、額段浅くノツベリした感じのものが多い。

(7)耳
・三角形で小さく緊まっている。耳背線は真直で、緊呼とした立ち方でなければならない。
・耳の中央線が、おおむね両耳に並列する。
・耳根は外耳線側がやや後方に引いている。内耳線は、額線に対し、ほぼ直角に立つ
・後頭部の不足な丸頭(アップルハツド)の耳は、その角度が立ち過ぎるもの多く、耳の動きが過敏の傾きがある。

(8)目
・やや三角形で外皆上がれその延長線は、外耳線の耳礎に達する。眼の大きいもの、丸いもの、外眥と平行なもの(つり眼でないもの)は好ましくない。
・虹彩は、暗褐色で注意深く、大胆性を表現し撥刺としている。
・白色犬の虹彩は、やや淡いが、いずれの毛色でも真ちゅう色は好ましくない。
・目縁は、毛色を間わず黒色が好ましい。

(9)口 吻
・鼻梁は真直で、口吻および口唇は緊まっている。函口は、さけるべきである。
・口吻は適度の長さと太さを持ち、やや上向く。口吻の太過ぎるものおよびシヤクれているものには受口といって、上顎より下顎が出ているものが多い。
・上顎の切歯が下顎の切歯とハサミ状に唆み合っているものが正しい。 下顎の突出または後退したものは不可である。
・先天的に歯の生じないものを欠歯といい、後天的に損失したものを損歯という。欠歯は遺伝のおそれあり欠点である。
・鼻鏡は角鼻で黒く小じんまり緊まっていなければならない。円く大きな鼻鏡は好ましくない。白色犬の鼻鏡は、肌色でも認めるが、耳、尾、脚、背等の一部に赤の差毛のあるものの鼻鏡は帯黒色でなければならない。
・舌の斑点は、北海道犬の8割にこれを認めるが、有るをもって特徴とせず、また無きをもって欠点としない。
・口唇は、毛色を問わず黒色であるべきで、かつ、引き締まっていなけ ればならない。

(註)眼が真ちゅう色で、鼻鏡、目縁、口唇、陰部にいたるまで肌色 で爪白く、皮ムのどこにも黒色をもたないものは、槌色傾向にあり、 遺伝上、種犬には避けるべきである。

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4 頸

(1)太く、たくましく力強さを示す。

(2)胴長の犬の頸は、概して細く長い。

(3)喉下の皮ふは弛緩してはならない。

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5 胸・胴

(1)胸は深く、肋は張っている。胸の深さとは、髪甲から下胸部までの深さをいい、体高の約2分の1である。

(2)胸部の断面は卵型を良しとする。樽胴または扁平胴は好ましくない。

(3)背は強勁であり、走って波動的に上下動があったり、腰を振ってはならない。

(4)前?の発達したものは、髪甲が明僚であり、特に牡においては判然としている。

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6 腹・腰・尻

(1)腹は、胸に調和して緩く巻き、極端に切り上がったり垂れ下がっているものはいけない。

(2)腰は、強動であって、その接合よく、適度の巾を必要とする。

(3)尻は、ややさがっているが、尾を巻いた背線の横姿は、後にやや下がり気味の力強い一線をなしている。

(4)腰巾の広過ぎるものは、動作の重いものが多い。後?の一見淋しくある姿が正しい。

(5)睾丸が体内に隠れているものを陰睾丸、片側しかないものを片睾丸という。片畢丸は生殖力はあるが、遺伝上、いずれも欠点とする。

(6)肛門は大きくない。肛門の大きなものは、概して鼻鏡も大きい。

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7 前 肢

(1)肩甲骨は適度に傾斜している。立ち過ぎるものは歩幅が狭くなり、これに反して肩端の出過ぎるものは歩様に円滑を欠く。

(2)肘は胴体から聞かないようについている。

(3)前膊は真直で乾燥している。乾燥不良のものを、骨量豊かなりとするものがあるが、かかる犬は、反撥力と軽快味が望めない。

(4)撃は軽い角度を有し、寝過ぎるもの、外向き、内向きであってはならない。

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8 後 肢

(1)飛節は、もっとも強靭であって、適度の角度をもつ。直飛(棒立ち)は好ましくない。往々にして、長駆型は飛節深く、短駆型は飛節浅い。踏込みの歩巾と反撥力は、これらの条件に支配されるところが大きい。

(2)後方から見る両飛節の間隔は、狭過ぎず、また開き過ぎではならない。

(3)後肢に狼爪の生ずるものがある。これをもって欠点とはしないが、仔犬のうちに除去することが望ましい。

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9 趾 部

(1)趾間は開かず、握りよく趾球は強靭で、いわゆる猫足である。

(2)撃ゆるく趾の長いものを俗に兎足というが、胴長の犬に多い。

(3)猫足の爪は切り立ち、地面に対して良きスパイクの役割をするが、兎足の爪は、地面にやや平行に近く、スパイクの役割を果せない。

(4)爪の色は、黒色または亀甲質の飴色がよい。

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10 被 毛

(1)表毛は直滑毛であり、極端な短毛および長毛は好ましくない。

(2)表毛は、やや粗剛で角度あり、さらに綿毛が密生する。

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11 尾

(1)太く力強さを表現する巻尾または差尾である。

(2)尾端にいたるに従い、長毛が開立し、長さは尾端が飛節に届く程度を良しとする。

(3)走って、尾が尾根から揺れるようでは弱い。

(4)休止態において、尾を下げることは欠点としない。

(5)短尾(パチ尾)は除くべきである。

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12 毛 色

(1)赤、白、黒褐、虎、狼灰、胡麻等があるが、黒い刺毛のあるものを黒胡麻、赤胡麻、灰胡麻と呼んでいる。

(2)胸、四肢、趾先等の白斑は欠点としない。

(3)斑は除くべきである。

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北海道犬の優れた狩猟(獣猟)性能を保持するために標準体型を昭和29年4月に制定し、北海道犬の作出(繁殖・飼育管理)の大きな指針としております。

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